32年ぶりの五輪切符を獲得した水球男子日本代表「ポセイドンジャパン」が21日、アジア予選開催地の中国から羽田空港に帰国し、大本洋嗣監督(48)は、今後の環境面の改善を願った。

 水球全体の予算は今までの4000万円から、五輪を目指すために約2倍に増えて強化を図れたが、選手個々の収入はアルバイトなどでの生計がほとんどで、平均約10万円ほど。

 同監督は「これで認知度が高まってくれるとうれしい。彼らは就職もできていない人もいる。五輪が終わったら仕事もない状態。水球をやっている子どもたちも(主将の)志水や(エースの)竹井の名前も知らない。サッカーの本田やメッシは知っているのに…」と嘆き、「彼らの将来も含めてリオ五輪で活躍して、何とかなってほしい」と水球の知名度アップも願った。

 空港では約150人に出迎えられ、出発時にテレビカメラ3台、記者1人だった報道陣も100人を超えた。

 大本監督は「予想以上。五輪の存在の大きさを感じています」と笑顔。4年前の五輪予選東京大会でロンドン五輪切符を逃した悔しさを知る主将の志水祐介(27=ブルボン)は「実は、最後の中国戦のラスト1分くらいで感極まって涙が出てしまいました。『まだ終わってねえよ!』ってみんなに怒られました」と明かし、リオ本番での目標を「ベスト8」に掲げた。

 約2カ月間、家にも帰らずに国内外で合宿を行ってきただけに、再始動は1月下旬予定。テレビ番組「テラスハウス」で「けんけん」の愛称で出演経験もある保田賢也(26=ブルボン)は「またネジを巻き直して頑張りたい。でも少しだけ休ませてください」と本音も漏らしていた。