女子はW杯個人総合で首位に立つ高梨沙羅(19=クラレ)が、218・0点で16年の初戦を圧勝で飾った。猛吹雪で他選手が次々と失速する中、1回目に86メートルで首位に立ち、2回目はただ1人、K点を越える91・5メートルを飛び2位に16メートルもの大差をつけた。それでも「タイミングのズレがあった。ジャンプの確率を上げていきたい」と気を緩めることはない。

 会場には昨年、現役を引退した兄寛大さん(23)が駆けつけた。大会前にはアップなどで忙しい妹のために、スキー板のワックス塗りをかって出てくれるなど、勝利を後押ししてくれた。「信頼している」と常に話す兄との久々のコラボが大きな力になった。

 年末年始は3年ぶりに北海道・上川の実家で過ごした。温泉に入り、地元の友達と初詣に出かけた。「今年もいい年でありますように」。ジャンプの神様が初戦からほほ笑み、後半戦に向け上昇カーブを描く。