柔道のグランドスラム(GS)パリ大会(6、7日)に出場する日本代表が2日、羽田空港から出発した。注目は最終盤を迎える女子48キロ級のライバル対決。ともに元世界女王の浅見八瑠奈(27=コマツ)と近藤亜美(20=三井住友海上)が出場し、リオデジャネイロ五輪代表の1枠を争う。

 浅見にとってパリは思い出の地になる。ロンドン五輪出場を逃し、13年世界選手権でも決勝で敗れ、長期休養を選んだ14年。1カ月間同地にホームステイした。2つの家庭にお世話になる中で、再び五輪を目指す決意を固めた転機だった。いまも連絡を取り合うホストファミリーのことを聞かれると、「来てくれたらうれしいですね」と笑顔がのぞいた。負ければリオが遠のく崖っぷち。「絶対に金メダルを取りたい」と恩返しにもなる勝利を誓う。

 浅見を昨年のGS東京大会で下し、代表レースを1歩リードする近藤は「この大会で五輪を決めるくらいの気持ち」と決戦をにらむ。選考会は4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)も残すが、ここで浅見に2連勝すれば大きく前進する。昨年は外国勢に結果を残していないため、「勝ってアピールもしたい」と目はリオに向いていた。【阿部健吾】