リオデジャネイロ五輪の代表1枠を争う2人が出場した女子48キロ級は、ともに表彰台を逃す結果となった。14年世界選手権優勝の近藤亜美(20=三井住友海上)が、初戦でカザフスタン選手に一本負け。近藤を追う10、11年覇者の浅見八瑠奈(27=コマツ)も準決勝で敗れて5位に終わった。代表は4月の全日本体重別選手権(福岡)で決定するが、五輪本番へ大きな不安を残した。

 五輪まで半年を切ったばかりの畳の上で、落胆が広がった。2人の元世界女王に絞られた代表権を巡る争いは佳境を迎え、どちらも優勝すれば大きく前進するはずだったが結果は逆。谷亮子らが築いた伝統階級に、暗雲が垂れこめた。

 まずは近藤。初戦の2回戦で、世界ランク23位のガルバドラフに屈辱の「まいった」。試合中盤に上から送り襟絞めをくらった。昨年12月のGS東京大会決勝で浅見に一本勝ちして優勢だったが、涙が止まらない結果に。「油断したつもりはなかったが、気が抜けた」と肩を落とした。

 近藤を逆転する好機となった浅見も、それを生かせない。世界ランク1位ムンフバットに準決勝で敗退。3位決定戦でもロンドン五輪女王のメネゼスに敗れた。「勝たなくてはいけなかったが、相手の五輪にかける思いを感じた」と時折、声を詰まらせて語った。

 リオ五輪代表へ両者はこれで横一線になった。近藤は「五輪を諦めたくない」、浅見は「簡単に諦められない」と気持ちを奮い立たせたが、出場権を取ることがゴールではない。五輪で頂点に立つために、両者とも巻き返しが求められる。

 ◆リオ五輪代表の選考 各階級1枠。女子は16年5月30日時点で世界ランキング14位以内に入っているものに出場資格が与えられる。さらに、国内選考があり、国内外大会の2年間の成績をポイント換算し、参考材料とする。代表が決まるのは、4月の全日本体重別選手権後。超級のみ全日本女子選手権(4月、横浜)後となる。