日本バスケットボール協会の新会長に、現副会長の三屋裕子氏(57)が昇格することが10日、分かった。昨年5月に就任した川淵三郎会長(79)は先月に制定した70歳定年制により1年限りで勇退。同協会の会長候補者選定委員会は候補者を三屋氏に絞り込んだ。今月19日と6月の評議委員会を経て正式決定する。

 新生バスケット界の改革は、サッカー出身の川淵氏からバレーボール出身の三屋氏に委ねられる。一昨年11月、男子リーグの分裂などで国際バスケットボール連盟(FIBA)から無期限の資格停止処分を受けた。昨年1月から川淵氏が改革を断行し、男子リーグの統一を実現。同5月から会長に就任していた。

 定年制を敷く前から、川淵氏は1年限りで身を引く考えを示していた。三屋氏は出身競技のバレーだけでなく、06年にはJリーグの理事に就任。昨年5月からバスケット協会の副会長として川淵会長を支える。一方で下着販売会社シャルレ社長を務めるなど、実業家としても活動。強烈なリーダーシップを持つ川淵氏の後任には適任といえる。

 バスケット界は今勢いに乗る。昨夏には女子日本代表が3大会ぶりに五輪出場権を獲得し、今夏のリオデジャネイロ大会では初のメダルを狙う。世界最終予選(7月、ベオグラード)で40年ぶりの出場権を懸ける男子は今秋にプロのBリーグが発足する。混乱を抜け出した新生バスケット界。三屋新会長の今後の手腕が期待される。

 ◆三屋裕子(みつや・ゆうこ)1958年(昭33)7月29日、福井県勝山市生まれ。東京・八王子実践高-筑波大-日立。84年ロス五輪で銅メダル。06年からJリーグ理事、07年から日本バレーボール協会理事。昨年5月から日本バスケットボール協会副会長。現在株式会社サイファ代表取締役。アシックス監査役、藤田観光取締役を務める。177センチ。