バドミントン男子シングルス世界ランク2位の桃田賢斗(21)と、ロンドン五輪代表の田児賢一(26=ともにNTT東日本)が国内の違法カジノ店で賭博を行っていた問題で、日本バドミントン協会は9日、都内でNTT東日本から社内調査の報告を受けた。

 銭谷欽治専務理事(63)は、内容は8日の記者会見で発表したものとほぼ同じだったと明かし、あらためて「スポーツ界全体を揺るがした由々しき事態。厳しい決断をしないといけない認識」と話した。協会はこの報告を元に、桃田、田児、新たに賭博をしていたことが明らかになった日本B代表の古賀輝(22)の計3人の処分を今日10日の臨時理事会で決定する。協会が定める倫理規定によれば、永久に資格がはく奪される除名、期限付きの選手登録抹消、大会出場停止、賠償などの処分がある。

 社会全体に波紋を呼んでいる問題だけに、処分内容が注目される。賭博常習性の高かった田児にはより重い処分を科す方針で、世界トップ選手の桃田は今夏リオデジャネイロ五輪、20年東京五輪の出場に関わる。臨時理事会に出席する、ある理事は「(3人とも)若いので教育する方が大事。除名まではいかないだろう」と復帰の道を残したい意見を示した。

 別の理事は「大会出場停止となるだろうが、数カ月ではなく数年になる可能性が高い」と予想。桃田のリオ五輪出場は「難しい」とした。「厳しくても優しくても、どちらでも否定的な意見をいただくと思う。慎重に考えたい」と複雑な胸のうちを明かした。