世界の研究者や医師150人が28日までに、ジカ熱が流行するブラジルで8月から開かれるリオデジャネイロ五輪・パラリンピックについて、延期か別の場所で開催するよう呼び掛ける文書を世界保健機関(WHO)に提出した。AP通信などが伝えた。

 蚊が媒介するジカ熱は、妊婦が感染すると小頭症の赤ちゃんが生まれる可能性がある。文書は主に医療倫理や公衆衛生の専門家がまとめ、「リオ五輪開催で50万人の観光客が必要のない感染の危険にさらされたまま帰国し、リスクを拡大させる」と言及した。

 これに対しWHOは28日、「現状の評価では、五輪を延期したり移転したりする公衆衛生上の正当な理由がない」との見解を示した。WHOは感染拡大防止として、虫よけ剤による蚊対策と性交渉でのコンドーム使用を呼び掛け、妊婦については渡航の自粛を勧告している。