サンウルブズはオーストラリアンカンファレンス2位の強豪ブランビーズ(オーストラリア)に5-66で大敗した。ここまでの12戦で5得点は過去最少、また失点66は4月16日のチーターズ戦で喫した92点につぐ大量失点となった。試合の大勢が決した後半27分にWTB山田章仁(30)がゴール右隅にトライを決めチーム唯一の得点を挙げた。今季9トライ目で、この試合終了時のトライ数で単独トップに立った。

 沈黙が続いていた日本のファンが、一瞬だけ沸いたのが山田のトライシーンだった。0-54の後半27分、右サイドでFBフィルヨーンのキックからチャンスをつくり、右隅にしぶとくトライ。白い息を吐きながら「何とかトライを取って勢いを取り戻したいと思っていた。その点は良かった」と遠慮気味に笑った。

 ブランビーズの強さは群を抜いていた。FW陣のボールへのアプローチが、サンウルブズよりも断然速く、人数も常に圧倒。まるで青い壁のように次々とターンオーバーを決めた。逆にサンウルブズはラインアウトでミスを連発した。成功率100%の相手に対し69%。後半の中盤には5分間で3トライを奪われた。最終的に10トライを許し、得点は阻まれて、完膚なきまでにたたきのめされた。

 スーパーラグビーは今後1カ月の中断期間に入り、7月に再開する。8戦目に歴史的な初勝利を挙げ、10戦目には好調のストーマーズ(南アフリカ)と引き分けたが、課題は山積している。主将のフッカー堀江は「立て直して残りの3試合を戦いたい」と中断明けを見据えた。