IBMが21-20でLIXILに勝ち、悲願のボウルゲーム初優勝。東日本社会人王座に就いた。

 MVPはIBMのWR栗原嵩(28)が獲得した。

LIXIL(1塁側)

 0・7・7・6=20

 7・7・7・0=21

IBM(3塁側)

【第1クオーター】

 IBMのレシーブで試合開始。そして、フィールド中央まで攻め込む。しかし、第4ダウンギャンブルのRB末吉のラン攻撃は失敗してしまう。

 代わったLIXILも立ち上がりこそ、QB加藤からWR前田へのパスでファーストダウンを獲得したが、その後の攻撃は続かない。

 IBMはRB末吉のランで進むと、QBクラフトがTEスタントン、WR栗原へのパスでゴール前10ヤードに迫る。すると、最後は10分19秒、クラフトからWR瀧へのTDパスが決まり、IBMが先制した(TFPキックも成功)。

【第2クオーター】

 LIXILは残り1ヤードの第4ダウンでギャンブルを選択せず、攻守交代。するとIBMはQBクラフトがTEスタントンへのプレーアクションパスを成功させ、大きく前進した。

 しかし、ここでLIXILのDL倉持がQBサック。7ヤードロスとなり、攻撃権は再びLIXILのものとなった。だが、QB加藤のパス攻撃は続かない。

 IBMはここで期待のRB陣が走る。末吉、高木で30ヤード近くを稼ぎ、敵陣中央へ。さらに、QBクラフトがWR瀧へロングパスをヒット、ゴール前に迫った。

 ところが、IBMはホールディングの反則で10ヤード罰退。その後、K佐藤の40ヤードFGトライはポスト右に外れてしまう。

 すると、LIXILはQB加藤がWR中川へロングパスを決め、大きく前進した。そして、代わったQB大和田のさらなるパス攻撃で敵ゴール前3ヤードに迫ると、10分56秒、加藤からTE長谷川へのTDパスが決まった。K青木のTFPキックも成功し、LIXILが同点に追い付いた。

 ハーフタイムまで残りわずかとなるが、IBMは積極的なパス攻撃を見せる。QBクラフトがWR栗原、WR松尾へのロングパスを成功させ、ゴール前11ヤードまで進んだ。

 そして、RB高木のランで残り7ヤードまでに迫ると、11分58秒、QBクラフトがTEスタントンへTDパスを決めた。TFPキックも入り、IBMが再び7点のリードを奪った。

【第3クオーター】

 IBMのQBクラフトのファンブルをリカバーして得たチャンス。LIXILはRB岡部が3分46秒、33ヤードのTDランを決めた。TFPキックも成功し、14-14。ゲームはまた振り出しに戻った。

 LIXILはディフェンス陣も力を見せる。LB天谷がQBサックを奪うと、DB脇がパスインターセプトを決めた。しかし、K青木の40ヤードFGトライはIBMにブロックされてしまう。

 攻撃権を得たIBMは、QBクラフトからTEスタントンへのパスでゴール前3ヤードへ。すると8分26秒、クラフトがWR栗原へTDパスをヒットさせた。K佐藤のTFPキックも決まり、IBMがまたも7点をリードした。

 追い付きたいLIXILは、QB加藤がWR前田へパスを決めてファーストダウンを獲得するが、その後の攻撃は続かない。

【第4クオーター】

 IBMはQB政本に代わっての攻撃。しかし、LIXILのLB桑沢にサックされてしまう。

 LIXILの自陣1ヤードから攻撃に代わると、QB加藤がスクランブルランで大きく陣地を挽回した。しかし、IBMのDL森田にロスタックルされてしまう。

 残り6分27秒からIBMの攻撃。QBクラフトは時計を進めるランを選択する。しかし、ファーストダウンは獲得できない。

 残り5分15秒となってLIXILの攻撃。QB加藤からWR永川へのパス、RB岡部のランでファーストダウンを獲得した。そして、TE長谷川へのパスで敵陣30ヤードまで進む。さらにRB岩倉のランでゴール前16ヤードへ。そして、同11ヤードまで攻め込むと、RB岡部のランでファーストダウンを獲得した。

 すると、試合時間残り48秒、LIXILはRB前川が5ヤードのTDラン。20-21とした。そして、2点コンバージョンを狙うが、QB加藤のパスはIBMのDLブルックスにブロックされてしまう。

 LIXILはオンサイドキックで攻撃権維持を狙うが、そのキックはサイドラインを出てしまう。

 最後はIBMがビクトリーフォーメーション。時計を進め、悲願の初優勝を果たした。

 ◆IBM山田ヘッドコーチ 最後(のLIXILの攻撃で)は、キックのブロックと2ポイント(パス)を想定した。春ということもあるが、相手は体力的に疲れていたので、勝負してくると思った。ブルックスが最後によく決めてくれた。選手には「今日はどんなことが起きても左右されるな」と言っていた。LIXILがパスを守りにきたので、ランを出せた。また、QBを政本に代え、クラフトに(状況を)冷静に見させたこともうまくいったと思う。とにかく、みんな良く頑張ってくれた。

 ◆MVPのIBM栗原 MVPはブルックスが取ると思っていたので、うれしい。今日はレシーバーとしては良かったが、リターナーとして狙った動きを出せなかった。でも、チームとして大きな舞台で結果を残せたので、秋の成長につながると思う。自分は日本で一番良いレシーバーだと思っている。だから、秋にも結果を残し、周りにも認められたい。NFLには3年連続でキャンプに参加しているが、今年29歳になるので、7~8月のサマーキャンプにはうまく入れれば良いと思う。

 ◆リクシル森ヘッドコーチ 最後に2ポイントを狙いに行ったのは、トライフォーポイントでブルックスにブロックされるリスクがあったから。タイブレークになったとしても距離のあるフィールドゴールになるとキッカー青木がいまひとつだったし、長引くと分が悪いから勝負に出た。行けると思ってプレーを選択した。ブルックスの(パス)ブロックのリスクをタイムアウトでラインに指示しておけば良かった。結果的に僕の判断ミスかもしれない。ランプレーはしっかりできていたし、展開も予想どおり。前半の最後に失点許したのと、2つ目のターンオーバーを得点に結び付けられなかったのが大きかった。