昨秋のラグビーW杯イングランド大会で史上最多3度目の優勝を果たしたニュージーランド代表「オールブラックス」で司令塔を務めたSOダン・カーターが15日に来日し、トップリーグ・ヤマハ発動機の清宮克幸監督らとともに都内で会見を行った。

 カーターは3度目の来日で、前回は13年に日本代表のニュージーランド代表がテストマッチを行った時に来日した。今回は東日本大震災と熊本地震の復興支援活動が目的。

 11年に東日本大震災が発生した約3週間前、ニュージーランドでも大地震が起きた。大きな被害を受けたクライストチャーチはカーターの故郷。当時スーパーラグビーのクルセーダーズでプレーしていたカーターは、本拠地クライストチャーチでの練習後、ロッカールームにいたという。当時を「ショックで体が動かなくなるほどだった。すぐに家族のことを思った」と振り返った。

 ホームスタジアムが壊れて使えなくなり、練習場を探しながらの日々。そんな生活を送っていたところに東日本大震災が起きた。「テレビで津波の映像も見た。(日本の被災地の人々に)共感することができる。ある意味で日本は特別な国になった。ラグビーを通して1人でも多くの人に笑顔になってほしい」。チャリティー活動を依頼した日本側の誘いを断る理由はなかった。

 今後は18日までに熊本や岩手・釜石などを訪れ、ラグビー教室などを行う予定だ。カーターは「子どもたちは私たちの未来。ラグビーの興奮や笑顔を届けたい」と笑顔で話した。