2020年東京五輪・パラリンピックの関係閣僚は予想外の人事となった。五輪相の丸川珠代氏、文部科学相の松野博一氏はともにこれまでスポーツや五輪になじみが薄い。東京都知事も小池百合子氏が就任したばかりで、開催準備に関わる重要ポストが一気に変わり、信頼関係構築や連携が課題となる。

 これまで五輪相を務めた遠藤利明氏はスポーツ政策に精通し、文科相だった馳浩氏は1984年ロサンゼルス五輪のレスリング日本代表として五輪への理解が深かった。ともに大会組織委員会の森喜朗会長らと太いパイプを持ち、東京都の舛添要一前知事と協力して難題に取り組んできたが、顔ぶれは一変した。

 開催準備は現在、東京都と組織委が競技会場の整備などで費用負担の見直しを進めており、連携が重要な時期だ。開幕まで4年を切り、脅威が増すテロ対策や空港など公共施設のバリアフリー化、暑さ対策などの検討も急ぐ必要がある。経済界やスポーツ界も含めて多くの組織が関わる五輪準備で、従来のように司令塔的役割を果たすことが求められる。