26日に開幕するラグビートップリーグ(TL)全16チームの指揮官と主将らが23日、都内で記者会見を行った。

 昨秋のW杯イングランド大会のメンバーで、スーパーラグビーのサンウルブズでも主将を務めたフッカー堀江翔太(30=パナソニック)が出席。リオデジャネイロ五輪のレスリング女子53キロ級で銀メダルを獲得した吉田沙保里(33)について「大変だっただろうなと思います」と心中をおもんぱかった。

 4連覇を目指した吉田は決勝で敗れた。試合後のインタビューで泣きながら発した「ごめんなさい」の言葉が印象に残った。堀江は「いろんなところから期待されてのしかかった責任とか、申し訳なさとか、どこかホッとしたところもあったと思う。あの『ごめんなさい』の気持ちはすごくよく分かる」と、吉田の心情に寄り添うように話した。

 主将という立場も吉田と同じ堀江は「主将になると責任がついてくる。深く考えなくていい、プレーに集中すればいいと言われるけど、嫌でもチームのことを考える」と、役割の重さを代弁。続けて「しかも五輪。僕以上に計り知れないプレッシャーがあったと思う」と、ねぎらいの言葉をおくった。

 同じアスリートとして、吉田の涙もくみ取った。「五輪で銀メダルなんてすごいこと。ただ選手じゃない人はそう言っていいと思うけど、自分たちにとって1位と2位は全然違う。準優勝で良かったなんて絶対口にできないし、笑えない。金メダルじゃないと、という気持ちも、とてもわかります」。

 パナソニックは今季、吉田と同じ4連覇を目指す。スポーツは違っても、頂点に立ち続ける者として感じるプレッシャーは同じだ。「きついですよ。だけど僕らしか味わえないものでもある」。勝ち続けるほど試合が怖くなる。1度負ければ解放される。そんな気持ちと戦いながら、突き進む。女王の敗戦を見て、堀江はあらためて腹をくくっていた。