Bリーグ1部の仙台89ERSは29日、仙台市内で練習を行い、北海道戦(午後6時開始、仙台市体育館)へ調整。片岡大晴(30)は現役最年長の「レジェンド」折茂武彦(46)とマッチアップする。

 気持ちが自然と高ぶってきた。仙台のホーム開幕戦の相手は、片岡が13~14季から2季所属した旧NBLの北海道。「興奮を抑え切れない。早くやりたいし、うずうずしている」。骨折した鼻骨はほぼ治り、保護するフェースガードを前日28日の練習から外した。「見えづらかったので、とれて良かった」と笑い、視界も開けた。

 北海道にはバスケットボール界のレジェンド、46歳の折茂がいる。選手兼社長の希代のアスリート。片岡が旧bj京都から北海道に移籍する際に「声をかけられ、とってもらった身」と感謝し、昨季仙台へ新天地を求めた際も「『頑張れ』と言われた」と話す恩人。ポジションも同じシューティングガード。古巣との一戦でマッチアップする。

 折茂から技術を学んだ。「シュートに行く時のフェイク、足の使い方はずっと見るようにしていた。少しは自分の身になった。そこは盗めたのかな」と懐かしむ。ベンチスタートが多かった北海道では、2季目の途中からスタメン起用が増えた。

 仙台市出身。「キャリアの中で地元でプレーできるのは、そう多くはないと思う」としみじみと話す。89ERSで奮闘する姿を、古巣に見せたい思いは強い。「お世話になった。感謝の気持ちを持ってやりたい」。レジェンド折茂への恩返しも込めて、コートに立つ。【久野朗】