体操男子のエースでリオデジャネイロ五輪の個人総合と団体総合の2冠に輝いた27歳の内村航平が、日本体操界初のプロ転向を検討していることが31日、複数の関係者の話で明らかになった。11月中旬の全日本団体選手権(東京・国立代々木競技場)後にも所属先のコナミスポーツを退社する見通しで、2020年東京五輪に向けて新たな挑戦に踏み切る。

 プロ転向により複数の大手企業から支援を受けられるようになるほか、内村が希望する普及活動にも力を入れやすくなる。サッカー日本代表の岡崎慎司(レスター)や長友佑都(インテル・ミラノ)を担当するマネジメント会社がバックアップ。練習拠点は東京・味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)が候補に挙がっている。

 プロ野球やサッカーなどを除けば、高校や大学卒業後に企業や団体に就職して給与をもらいながら競技を続けるのが通例。競泳ではことし引退した北島康介さんが現役時代に日本コカ・コーラと契約してプロスイマーの先駆けとなった。

 内村は日体大時代に初出場した08年北京五輪で個人総合と団体総合の銀メダルを獲得し、09年世界選手権で個人総合を初制覇。11年に強豪コナミスポーツに入社した。3大会連続の五輪出場となったリオ大会では44年ぶりの個人総合2連覇を果たし、世界選手権と合わせて8年連続金メダルの偉業を成し遂げた。