W杯個人総合2位の伊藤有希(土屋ホーム)が、2回合計254・3点で悲願の初優勝を飾った。

 1回目に95メートルを飛び首位に立つと2回目も96メートルとビッグジャンプを2本そろえ、頂点に立った。「地元札幌で初優勝できたことはうれしい。日本の方々の応援があったおかげ」と満面の笑みを浮かべた。

 女子が初採用された09年の世界選手権に下川中2年で出場(17位)するなど、元祖スーパー中学生として早くからジャンプ女子の中心選手として活躍してきたが、ここまでは険しい道だった。11~12年にスタートしたW杯の最初の代表には選ばれなかった。成長する中でジャンプの調子がなかなか上がらず、W杯で表彰台に立ったのも14年1月の蔵王大会(2位)と社会人になってからだった。

 そこから10度表彰台に乗りながら頂点にはなかなか届かなかったが、13年4月に土屋ホームに入社し、チームの監督も務めるレジェンド葛西紀明(44)が「努力する天才」と評価する持ち前の負けん気で、諦めず自身と向き合い続け、階段を少しずつ上り、結果につなげた。「入社4年目で会社にも支えてもらって、その方たちに少しは恩返しできたかな」と感謝した。

 今季の目標は2月の世界選手権(フィンランド)。「自分のやることは変わらないのでそこに合わせいえるように頑張っていきたい」と力強く話した。

 節目の50勝目を目指した高梨沙羅(クラレ)は2位だった。

 他の日本勢は、勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)は12位、岩渕香里(北野建設)は19位、岩佐明香(日大)は29位。2回目に進めなかった茂野美咲(CHINTAI)は37位、大井栞(北海道・札幌日大高)は40位に終わった。