競泳のロンドン、リオ両五輪代表の渡部香生子(20=JSS立石)が15日、ゼロからの再スタートを誓った。

 横浜国際プールで行われた東京6大学冬季対抗戦に参加。昨年12月中旬の陸上トレーニングで右足首を捻挫し、全治4週間の重症を負ったためレースには出場しなかったが「逆にゼロから本気のリセットができる」と前向きに言った。

 15年世界選手権女子200メートル平泳ぎで頂点に立ちながら、昨年リオデジャネイロ五輪では決勝に進めなかった。世界選手権を制したことで、逆に重圧に苦しんだ結果だった。五輪後は心機一転で練習を始め、ペースを取り戻したところでケガに見舞われた。

 一時は右足首が大きく腫れ、松葉づえでの生活を余儀なくされたが、今は日常生活に支障がないほどに回復してきた。「ケガして2週間くらいは泳ぎたくて、焦りも出たが、今は焦っても仕方ないと思えている」。世界選手権金メダルのシーンなど、自分のベストの泳ぎを見直すことで、良いときと悪いときの違いを分析。水中練習の再開に備えている。

 実戦復帰は来月のコナミオープン(18、19日、東京辰巳国際水泳場)を予定。4月の日本選手権(13日開幕、名古屋・日本ガイシアリーナ)では今夏の世界選手権(ハンガリー)の代表権獲得を目指す。「この状況から代表に入るのは、厳しい戦いかもしれないが、しっかり目標を持ってやりたい」と復活を見据えた。