ロシア陸上界の組織的ドーピングやそれを巡る不正疑惑について、国際陸連のセバスチャン・コー会長(英国)が2014年8月の時点で疑惑を知っていた可能性があると、英BBC放送(電子版)が31日に報じた。同会長は15年12月に英議会の文化・メディア・スポーツ特別委員会による公聴会で「ロシアでの反ドーピング手続きや不正に関する件は、関知していない」と発言していた。

 BBCによると、コー会長は1万メートル元世界記録保持者のデービッド・ベドフォード氏から、女子マラソンのリリア・ショブホワ(ロシア)が国際陸連の元幹部から脅迫され、ドーピング検査の陽性反応をもみ消すために多額の金銭を支払ったことを証明する添付ファイル付きメールを14年8月に受け取っていた。

 同会長は添付ファイルを開封せず、国際陸連倫理委員会のマイケル・ベロフ委員長に転送したとしていたが、同委員長との間でやりとりされた同時期のメールには、同会長が「ショブホワを巡る疑惑について関知している」との記述があるとしている。