2大会連続3度目の五輪出場を目指す「スマイルジャパン」が、FW久保英恵(34)のハットトリックなどでオーストリアに6-1と大勝し、勝ち点3で首位に立った。最終予選初戦の独特の雰囲気の中、第1ピリオド(P)こそ動きが硬かったが、久保が第1~3Pで得点する活躍で流れを変えた。最終予選は日本、ドイツ、オーストリア、フランスで1回戦総当たりで争い、1位が五輪出場権を獲得する。日本は11日にフランスと対戦する。

 悪い流れを、ベテラン久保のチップショットが救った。第1Pの先制ゴールに「あれは出来過ぎです」と笑ったが、FW浮田の強烈なシュートに、ゴール前でスティックを合わせコースを変えるファインゴールだった。練習から山中監督にシュートを打ってもらい、軌道を変える感覚を磨いてきた。その感性がチームにエネルギーを与えた。

 第1Pは同点で終わるも、第2Pにはゴール裏のFW床秦からのパスに合わせ、GKの股を抜いてチームの3点目。第3Pは右からのパスを、前のめりに飛び込むようにスティックを合わせてチーム5点目でダメを押した。「いつだったか忘れましたが、ハットトリックの経験はありますよ」とさらりと振り返った。