仙台89ERSは今季最多得点を挙げ、滋賀に95-72と快勝。連敗を6、ホームでの連敗を13で止めた。

 仙台が昨年10月23日の秋田戦以来、118日ぶりにホームでの勝利に酔った。間橋健生ヘッドコーチ(HC、45)が「久しく忘れていた」と実感を込めた。前日17日の第1戦で102失点しての惨敗から一転、今季最多の95点。攻守とも“別人”になった。

 第1戦が「いい薬になった」(間橋HC)。体を当て、寄せる激しい守備が復活した。攻撃では難しい角度や体勢からのシュートをなるべく避け、パスを回して滋賀を揺さぶる。得点確率の上がるインサイドを攻め立て、得点を重ねた。

 第1戦を猛省した選手を、間橋HCは「ミーティングから目つきが違った」と明かした。この第2戦を落として残留プレーオフ圏17位富山が勝てば、仙台は東地区どころかB1(1部)18チームの最下位に転落する。勝負どころの攻撃で個人プレーに走りがちになる課題は、この日は周囲を生かす自己犠牲の心があった。両チーム最多27得点のウェンデル・ホワイト(32)は「今日はパスを回して、チームメートが動いた時に自分も動くことを心掛けた」と胸を張った。

 38試合目でようやく2桁の10勝に到達。間橋HCは「こうやれば勝てるんだ、というのが分かった。今日のゲームは1つのキーになる」と、レギュラーシーズン残り22試合への指針とした。主将の志村雄彦(34)は「どのチームとやっても戦えることが大事」と言った。地区最下位は変わらないが、浮上への確かな手応えをつかんだ。【久野朗】