秋田ノーザンハピネッツがサンロッカーズ渋谷に48-63で敗れ、4連敗となった。ぷつりと糸が切れたようだった。第3クオーター(Q)残り1分15秒から安藤誓哉(24)が2度続けてボールを奪われ得点を許す。15点差。コート上の5人が意思疎通を欠き、緩んだ空気に一気につけ込まれた。

 時間がプラスに働くハズだった。前節2月26日に行われた三河戦では第4Qに逆転され、79-81で敗戦。接戦を勝ちきれなかった。悔しさを抱えたまま空き週を含めた2週間を過ごし、迎えた3月唯一の本拠地試合。序盤から試合展開が重く、得点ができない。田口成浩主将(26)が得意の3点シュートを決められず、スコット・モリソン(31)のシュートもリングにはね返された。

 フロントは変化を作った。2月末に3季所属したディショーン・スティーブンス(27)と契約解除。水野球団社長は「苦渋の選択。B1残留へ向けた戦いへの大きな決断」とコメントし、リバウンドに強いレオ・ライオンズ(29)を加入させた。また2月中旬には江戸川大3年・保岡(やすおか)龍斗と特別指定選手契約で合意。アマ選手を含め13人が登録された。

 競争意識が求められる。ベンチ入りは12人まで。13人となり、毎試合1人があふれることとなる。田口は「1人1人が切磋琢磨(せっさたくま)しないと。危機感を持って競争すれば、チームの底上げになる」と期待を寄せる。緊張感を日々の練習にぶつけ、個々の力を向上させることが終盤戦のカギを握ると話す。

 リーグ戦18試合を残し、全体18チーム中15位と沈む。下位4チームが進むB1残留プレーオフ圏内から脱出するには、執念を見せるしかない。【島根純】