女性カーレーサー井原慶子(43)が28日、都内で自身が総監督を務める国内初となる女性だけのレーシングチーム「ラブドライブレーシング」2017年体制発表会に出席した。

 井原は99年「フェラーリ・チャレンジ」でレーサーデビュー。そのデビューレースでは3位表彰台を獲得。その後、12年には世界最高峰耐久レース「WEC」に女性初のフル参戦。13年には同シリーズドライバーズランキングで女性最高位を獲得し、世界最速女性となっている。

 その井原が総監督を務める同チームは「スーパー耐久」シリーズ、「JAF東日本ラリー選手権」「全日本EV-GP」シリーズの3カテゴリーへのフル参戦を発表した。またドライバーとして「スーパー耐久」には岩岡万梨恵(24)北平絵奈美(23)ら、「東日本ラリー」にはドライバーホン・ミンウェイ(台湾=30)、コ・ドライバー古本舞桜(20)のコンビ、電気自動車によるレース「全日本EV-GP」には猪爪杏奈(22)らの参戦が発表された。

 総監督として「フル参戦初年でシリーズチャンピオンを目指したい。そのためにこの体制を取りました。女性が走ると危険という声もありますが、安全かつ速く走ってチャンピオンを目指します」と語った。

 井原は国際自動車連盟、日本自動車連盟が推進する「WOMEN IN MOTORSPORTS」プロジェクトのアジア代表委員も努めている。「メーカーや団体の壁を越えて応援していただけるのようになってきたのはうれしいです」。同チームはドライバーだけでなく、メカニックやスタッフも女性が務める。「理系女子がもっとこの業界に関われるロールモデルになって、車産業に関われるようにしていきたい。車産業は日本の基幹産業でもあるので、さらなる発展に貢献できればと思います」と話した。