デンソーが日立を下し、9年ぶり2度目の優勝を果たした。

 1-1で迎えた第3セット。最後の25点目を挙げたプレーで、日本代表経験を持つミドルブロッカー大竹里歩(23)が着地した際に左膝を負傷。そのまま車いすで医務室に運ばれる事態となりながら、第4セットを25-19で制し、喜びの時を迎えた。

 大竹に代わって出場したオポジットの堀江彩(22)が活躍し、日本代表のウイングスパイカー鍋谷友理枝(23)は勝負どころで得点を重ねた。鍋谷は「みんなが『里歩の分まで頑張ろう』と声をかけてくれて、切り替えられた。勝った瞬間は『やっと勝てた』と思いました」と涙。山口祐之監督(44)も「(大竹負傷の)動揺は見せないようにした。やり切ったかな、という感じがある」と優勝の味をかみしめた。

 昨季はVプレミアリーグから降格したが、今季はVチャレンジリーグ1で優勝。3月に入れ替え戦を制し、プレミアリーグ復帰を決めていた。今季の最終戦を最高の形で締めくくり、主将のウイングスパイカー石田瑞穂(29)は「里歩がコートを離れたのは大きな痛手だったけれど、その分、堀江の元気で挽回できた。今年1年、誰が出ても同じバレーをすることを意識してきた」とチームの成長を実感した。