最終種目の鉄棒で逆転優勝を決めた内村航平(28=リンガーハット)は、大会9連覇と個人総合40連勝にも無関心。「体操には連勝とかないので、ピンと来ません」と話した。

 持ち点1位で臨んだが、1種目目の床運動で白井健三(20=日体大)にリードを許し、その後は追う展開。つり輪で1度は1位に立ったが、その後抜き返されて0・5点差で鉄棒を迎えた。もっとも、最終演技者として臨んだ鉄棒は圧倒的な力を見せつけ14・800の高得点。昨年のリオデジャネイロ五輪、4月の全日本選手権に続く最終種目の逆転に「頭の中では(優勝への)ストーリーができていた」と胸を張った。

 2位に入った白井について「1番近くで自分を見てきたのは(白井)健三。いろいろと吸収してくれた」と成長ぶりに満足そう。7連覇を目指す世界選手権個人総合での相棒に向け「世界選手権の個人総合は僕のおはこ(十八番)なので、教えられることもあると思う」と話した。

 プロになってから1人の練習になり、試合からも遠ざかって体力も落ちた。今大会も体力面を考慮して難度を下げて出場。だからこそ「このままでは世界と戦えない」と言う。本番までには演技構成も変えるなど青写真はできあがっているが「いうつもりはありません」。内村が本来の強さを見せるのは、今秋の世界選手権になりそうだ。