テニス4大大会第2戦、全仏オープンが28日に開幕する。創設された126年前から赤土を使い続ける4大大会唯一のトーナメント。

 ハード、芝、赤土の3種類のコートのうち赤土で最も高い勝率0.713を誇る錦織圭(27=日清食品)が赤土でプレーする際の3カ条を明かした。

 (1)フットワーク 「他のコートよりも動く量が増える。特に前後。ドロップショットで前へ、深い球で後ろへと動くことが多くなる。それに、足をスライドさせて球を追う」。

 (2)フットワークを生かした守備 「足を滑らせるので、カバーできる範囲が広がる。また、高くて深い球を返球することで、時間を稼ぎ、守りを立て直すことができる。守備は赤土でとても大事な要素」。

 (3)体力 カバーできる範囲が広がり、守りも必須となれば、ラリーが長くなり、体力が必要だ。「体力が一番大事。疲れない耐える力が必要になってくる。フィジカルがしっかりしていないと集中力も保てない」。この3つを克服してこそ、赤土を制することができる。(ジュネーブ=吉松忠弘)

 ◆4大大会のコート 4大大会の中で、全仏の赤土とウィンブルドンの芝は、大会創設時から変わらないサーフェスだ。全豪は87年まで芝で、88年から現在のハードになった。全米は74年まで芝で、75~77年がクレー(米国特有の緑の土)、78年からハードと変わってきた。つまり、74年までは、全仏を除いた4大大会は芝のコートで行われていた。