トロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが17位、ブレンドン・ハートリーが18位と低迷し、開幕戦オーストラリアGP、第4戦アゼルバイジャンGP以来の今季3度目の2台そろってのQ1敗退となった。

 11台が0・7秒にひしめく極めて僅差の中団グループの中で、0・04秒差でQ2進出を逃し、Q1でガスリーと0・1秒差だったフェルナンド・アロンソが11位に入るなど、タイム差ではそれほど大きな差ではなくとも僅差の中では大きく順位を落とすことになった。

 ガスリーは金曜からグリップ不足に悩まされその症状を改善仕切れなかったと語った。

 「全体的なグリップ不足だよ。コース1周のあらゆるところでその症状に悩まされているんだ。他のチームはコンスタントにインプルーブしているのに対して、僕らは今週末アップデートがない。予選ではメルセデスAMGユーザーやフェラーリユーザーがパワーを大きく上げてくるのは分かっていたし、僕らは昨日の時点でかなりマシンに苦しんでいたから、今日はQ2に行くのも厳しいだろうということは分かっていたよ。実際にその通りになったというわけだ」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、マシンパッケージとしての仕上がりで中団グループのライバルチームに後れを取っていると説明した。

 「ここのところ引きずっている弱点が全て出てしまったという感じです。ドライバーのコメントで言えば、(マシン不調を示す)当たり前のコメントが並んでいるだけなんですが、その度合いが大きかったのかなと思います。対他比較でいえば、(1周の中で)パワーに左右される箇所というよりもグリップに左右されるところでのロスがかなりありました。タイム差はそれほど大きくないんですが、かなり拮抗(きっこう)している中なので順位としてはドーンと大きく出てかなり下の方になってしまったという感じです」

 グリッド降格ペナルティーを科された他車の影響で、トロロッソ・ホンダの2台は16、17番グリッドから22日の決勝に臨む予定となっている。

 金曜フリー走行で行った決勝想定のロングランではタイヤのデグラデーション(性能低下)が良好だったため、決勝での挽回にも望みはあるとブレンドン・ハートリーは語っている。

 「明日に向けてはまだ希望はあるよ。昨日のロングランはとてもペースが良かったし、ロングランの途中でコース上で何台も抜いたくらいライバルたちはタイヤに苦しんでいてデグラデーションは悪かったからね。ホッケンハイムはこの温度ではデグラデーションという点ではかなり厳しい部類に入るから、そういう意味で明日に向けては希望を持っているよ」

(米家峰起通信員)