日本ボクシング連盟(山根明会長)が、アスリート助成金を不正流用するなどした疑いがあるとして、都道府県連盟の会長や理事長、歴代五輪代表選手ら333人が日本オリンピック委員会(JOC)などに告発状を送った問題で、騒動発覚後初の全国大会となる全国高校総体開会式(岐阜市)に山根会長が出席しないことが1日、分かった。吉森照夫副会長が明らかにした。「会長は病気のため来ません」と述べた。

 会場では開会式のリハーサルが行われ、会長からのあいさつも式次第に組み込まれていた。会長控室も用意されていたが、欠席となった。一連の疑惑の答える場として多くの報道陣も詰め掛けていたが、姿を見せないことになった。

 吉森副委員長はまた、前日7月31日にJOC(日本オリンピック委員会)を訪れ、16年のリオデジャネイロ五輪男子ライト級代表の成松大介選手(28=自衛隊)に対する日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金の不正受給問題について謝罪したことも明かした。15年度に交付した助成金240万円が、山根明会長の指示で3等分されて別の2選手に80万円ずつ渡されていた疑いがあるもので、吉森副会長が成松選手に口止めを図った疑いも持たれているが、「意志を確認しただけ」と話した。助成金には選手の競技力向上などのため国費が投入されており、目的外の使途に流用されていた可能性がある。

 告発状に関しては確認をしておらず、「まだ見ていない」とした。連盟HPには反論の文章も掲載されたが、「報道などをみて、たぶんこうだろうということで」と告発状そのものを精査しての反論ではなかったことも分かった。