東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の高谷正哲スポークスパーソン(SP)は27日、都内のメインプレスセンターで行われた会見で、7月3日からの1カ月間で東京五輪の20会場で約13万食の廃棄があったことを発表した。大会の後半にかけて改善し、廃棄率が25%から15%と減少したと説明する。

高谷氏は「(五輪期間中の)食品廃棄の総量は精査中」とした。大会後半の7月30日から8月6日にかけて廃棄率を1~2割程度改善できたことを強調。「例えば8月8日の閉会式では6000個に対して廃棄は約200個」と具体例を交えながら説明した。発注量の調整やボランティアなど会場スタッフに食事を取るよう促したことで改善が図られたという。

東京パラリンピック開幕以降は、消費期限が比較的長いパンをフードバンクに提供することもしている。国立競技場と東京体育館の2会場を対象に、これまでに90個提供したという。

食品廃棄を巡っては、五輪開会式(7月23日、国立競技場)では約4000食分のロスが報告されるなど、兼ねて問題視されていた。高谷氏は「需要予測に対して消費し切れなかった」と説明するなど、早急な改善策が求められていた。