ノルディックスキー複合の試合方式が今季から、1回の前半飛躍と10キロの後半距離に統一される。このほど国際スキー連盟(FIS)複合委員会が決めた得点換算などの細部は距離重視の傾向を強めたという見方もあるが、日本選手への影響について阿部雅司コーチは「戦ってみないと分からない」と話した。

 複合はジャンプの得点差を後半距離でのタイム差に換算し、ジャンプで1位の選手を後続選手が距離スキーで追い掛ける。従来の個人は2回飛躍と距離15キロで、個人スプリントは1回飛躍と距離7・5キロだった。飛躍得点の1点を距離の4秒に換算するのは変わらず、単純計算すればこの変更で距離に強い選手が飛躍で出遅れても逆転する可能性が高くなり、有利といえる。

 しかしジャンプでラージヒルを使う場合、飛距離1メートルの得点が1・2点から1・5点に上がった。1回に統一されたため、失敗できないという精神的重圧もかかる。ジャンプを得意にする選手も前向きにとらえられる。

 欧州での複合の人気低迷を打破するためにFISが打ち出した新ルールは、2年後のバンクーバー冬季五輪でも採用される予定だ。河野孝典ヘッドコーチは「試合に臨む流れを考えると楽になった。これまでと同じく、しっかり飛んで、しっかり走れる選手でないと勝てない」と指摘した。(共同)