バレーボール女子の荒木絵里香が、期限付きで移籍したセリエAの強豪ベルガモで苦戦している。チームはリーグ開幕から4連勝と好調だが、日本代表センターはまだ言葉や調整方法の違いで壁に当たったままだ。

 第3戦のイエージ戦は、第4セット途中に投入されたがワンプレーでベンチに戻った。昨季のプレミアリーグで最優秀選手に選ばれ、北京五輪ベストブロッカーに輝いた実力を出せず「監督の指示を理解するとか、基本ができていない」と戸惑いを隠さなかった。

 ミチェリ監督は、数年前から荒木の才能を認めて「技術はあるし、頭もいい」というものの「大事な試合を任せるには不安が残る。イタリアのバレーに慣れるには時間が必要」と甘くない。

 荒木も「同じポジションにイタリア代表が2人もいて、割って入るのは難しい。焦らず、自分のプレーを見せていけばチャンスは来る」と覚悟している。ただ、短い練習時間が一番の悩みだという。「全日本では竹下(佳江=JT)さんと1時間ずっとコンビ練習をして連係を合わせた。今は何本かやるだけで終わってしまう」と話した。

 ミチェリ監督は、練習試合で荒木を積極起用している。「大事なのは実戦感覚。早くイタリアのバレーを理解し、チームに力を貸してほしい」と期待した。(共同)