国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は16日、スイスのローザンヌでの理事会終了後に記者会見し、2016年夏季五輪の実施競技として理事会が推薦する2競技が10月9日の総会で否決された場合は、追加採用を行わない方針を示した。

 IOCは復帰を目指す野球とソフトボールにゴルフ、7人制ラグビー、空手、スカッシュ、ローラースケートを加えた候補の7競技を8月13日の理事会で2競技に絞り込む。ロゲ会長は「(理事会の)提案が拒否されたら、代わりの提案はない。それで終わりだ」と述べ、残った5競技からの復活選考を否定した。復活選考は、15日に理事会でプレゼンテーションした国際野球連盟(IBAF)のシラー会長らが可能性を指摘していた。

 16年夏季五輪招致を目指す東京など4都市がIOC委員に対して17日にプレゼンテーションを行うことについては「(107人のうち)92人のIOC委員が来ており、大きな成功だと思う」と期待感を示した。

 同会長は開催都市の条件として「選手が大切にされることが第一。そのためには適切な選手村、良好な輸送手段、立派な会場などが求められる。しっかりしたテレビ中継で活躍を世界に見てもらうことも大事だ」と持論を展開し「大多数の委員も共有している条件だ」と述べた。