夏季五輪の翌年に行われる東アジア大会は、12月に第5回大会が行われる。開催地の香港は金融と貿易の拠点で観光都市としても知られるが、スポーツではこれまで中国本土や他のアジア諸国に後れを取ってきた。香港政府は、今大会をスポーツ文化発展の契機にしたいと、期待を寄せる。

 日本や韓国など9カ国・地域の約2500選手が参加し、22競技を争う。初の国際総合大会開催を前に、運営会社のジョニー・ウー最高経営責任者(CEO)は「人数は過去最大規模。世界の人が集まる中で、地域としての自信を深めたい」と意気込む。

 東京都の約半分の面積に人口約700万人が住む香港では、スポーツの環境整備や競技力向上は大きな課題だった。政府は今大会のために約12億香港ドル(約150億円)を出資。陸上競技場などが新設され、既存施設の改修が行われた。

 日本や中国、韓国にとって、選手強化という点では存在意義が大きいとは言い難い大会だ。しかし香港にとっては、サッカーをはじめとした多くの競技で格上の日本などと試合をすることで、レベル向上につなげる絶好の機会となる。国際オリンピック委員会(IOC)委員でもあるティモシー・フォク香港オリンピック委員会会長は「今大会を通して香港のスポーツ界を盛り上げたい」と意義を強調した。(共同)