国際オリンピック委員会(IOC)は2日、コペンハーゲンで総会を開き、2016年夏季五輪の開催都市に南米で初開催となるリオデジャネイロ(ブラジル)を選んだ。1964年東京大会以来2度目の開催を目指した東京は、IOC委員による投票の2回目で落選した。

 日本の夏季五輪招致は名古屋がソウルに敗れた88年大会、大阪が北京に敗れた08年大会に続いて3連敗となった。

 投票は過半数を獲得する都市が出るまで最少得票の都市を除きながら続けられた。1回目は東京が22票の3位で通過し、有力視されたシカゴ(米国)が18票の最下位で落選する波乱。2回目で東京が最下位の20票で姿を消し、決選投票はリオが66票-32票でマドリード(スペイン)を破った。

 リオはルラ大統領が「今回はブラジルの番だと思う。不均衡を是正してほしい」と訴えて悲願を達成。14年にブラジルで開催されるサッカーのW杯に続くビッグイベント開催となった。

 東京は半径8キロ圏内にほとんどの競技会場を集めたコンパクトな計画を掲げ、64年大会で使用した競技場も一部を活用するなど、綿密な開催計画を策定。投票前に行われた招致プレゼンテーションは15歳の体操女子選手、三科怜咲さんを登場させ、若者の将来を考えた大会をアピールし、鳩山由紀夫首相は政府による財政保証とともに「大都市がいかにして環境を損なうことなく繁栄できるかを世界に示す」と環境重視の姿勢を強調した。

 しかし、昨夏の北京五輪から8年後のアジア開催となる不利の中での立候補は、開催意義を明確にできずに苦しんだ。各国の要人がIOC委員と個別面談するなど、激しさを増したコペンハーゲンでの終盤のロビー活動でも後れを取った。

 シカゴはオバマ大統領が「米国の最も米国らしい町」と応援し、シカゴ出身のミシェル夫人は投票2日前から現地入りしてロビー活動にあたる力の入れようだったが完敗した。