スポーツを対象にした賭けに絡む不正行為の取り締まり強化へ向けて、国際オリンピック委員会(IOC)が1日開いた初の国際会議で、大相撲の八百長問題が取り上げられた。スポーツ団体や政府の関係者ら約80人が出席した会議の終盤で、オーストラリアのアービブ・スポーツ相(閣外相)が「春場所が中止になったことは我々にもショックだった。他のスポーツでも起こり得るといういい教訓だ」と指摘し、不正撲滅を訴えた。会議は、欧州などで賭けの対象となったサッカーをはじめ、選手らが買収されて故意に負けるなどの八百長行為を防ぐことが目的だった。

 大相撲の八百長問題は賭けに絡んだものではなく「星の貸し借り」といった内部問題ではある。しかし、ロゲ会長は「世界中で不正が起こらない場所はない」と、大相撲を引き合いに警戒を呼びかけた。