<トランポリン:W杯川崎大会>◇最終日◇9日◇個人決勝◇川崎・とどろきアリーナ

 最後10種目目の演技を終えた伊藤正樹(22=金沢学院大ク)は、空中でガッツポーズしていた。ほぼ完璧な演技に、自然と手が動いていた。直前に、外村哲也(26=JPT)がミスのない演技を披露し、場内を沸かせていた。「ざわざわして、嫌な雰囲気で、すごくたくさんプレッシャーがあった。その中で集中して演技ができた。メンタル面が強くなったかな」と納得の表情で、喜んだ。

 何より高さが際立っていた。今季から、滞空時間を得点に換算する「時間点」が導入され、高さを武器とする伊藤には格好の追い風だった。時間点17・900点は全選手トップ。今大会は強豪中国勢が不在だったが「世界で通用する点数。日本で、中国の高さに対抗できるのは僕だけ。60点以上を目指したい」と、自信に満ちた表情で言った。