<フィギュアスケート:グランプリシリーズ第6戦・ロシア杯>◇2日目◇26日◇モスクワ

 代名詞のトリプルアクセル(3回転ジャンプ)は跳ばなかった。ジャンプでミスもあった。それでも、勝ったのは浅田真央(21=中京大)だった。地元ロシアのアリョーナ・レオノワらを抑えて、3季ぶりのGP優勝。「GPファイナルに行けることと、久々の優勝はうれしい。演技としては50%ぐらいで、悔しい部分もあるけど、それはファイナルで改善していきたい」と素直に喜びを語った。

 ショートプログラム(SP)と違い、3回転半には直前までこだわった。だが、佐藤信夫コーチの「(次に)楽しみにしている」との言葉で迷いは吹っ切れ、回避を決めた。2回転半をきれいに決めた。ファイナルへの切符を意識しすぎて硬くなり、3回転ルッツで手をつくなどミスも出た。それでも、4つのスピン、ステップすべてで最高難度のレベル4を獲得。高い表現力で乗り切った。

 GPファイナルは3季ぶりの出場になる。「トリプルアクセルは入れたいな。いい演技をすることが目標です」。重圧は乗り越えた。次は思い切りのいい演技を-。そう、自分自身に誓いを立てた。