フィギュア女子の浅田真央(21=中京大)が9日、成田空港に無言で緊急帰国した。夏から内臓疾患で入退院を繰り返していた母匡子(きょうこ)さんの容体が8日に急変。浅田はGPファイナル欠場を決め、滞在していたカナダ・ケベックから、佐藤信夫コーチ(69)らと成田空港に降り立つと、そのまま地元名古屋に向かった。

 黒の上下に黒の帽子。白いマスクで顔を覆った浅田が、沈痛な面持ちで空港に降り立った。報道陣から「日本の皆さんが心配していますが」と声をかけられると、軽く頭を下げるだけで、足早に地元名古屋への帰路を急いだ。同行して帰国した佐藤コーチは「朝いきなり電話で起こされて、顔も洗わずに30分後にはホテルを出ました」。飛行機の中では席が別々だったため「(詳しい話は)何も情報がないんですよ」と話した。ただ、浅田を気遣い「しっかり頑張って」と伝えたという。

 所属事務所は、状況が落ち着き次第、浅田本人から事情を説明するとしている。