<レスリング:全日本選手権>◇2日目◇22日◇東京・代々木第2体育館

 圧倒的な強さで、初めての五輪出場を決めた。世界選手権女子48キロ級を2連覇中の小原日登美(30=自衛隊)が全日本も制し、ロンドン五輪切符を手にした。「ここまで長かったので、うれしい。自分1人ではできなかった」。04年アテネ、08年北京とかなわなかった五輪出場の目標を、三度目の正直でつかんだ。

 初戦となった2回戦、続く3回戦、準決勝といずれもフォール勝ち。決勝こそ「空回りした」と今大会初ポイントを奪われるも、高校生相手に地力の違いを見せつけた。同じ48キロ級で戦い、五輪に届かなかった妹の真喜子さん(26)は「すごくうれしい。本当に良かった。51キロ級時代の(絶対的に強かった)日登美に戻った気がする」と絶賛した。

 2度の引退を経て、迎えた3度目の現役生活。昨年10月には結婚し「坂本」から「小原」に名字も変わった。坂本家と小原家、そしてコーチら多くの人の思いを背負って、つかんだ初めての五輪。「まだ通過点。反省して、必ず金メダルを取りたい」と、頂点だけを見据えた。