柔道女子日本代表の指導陣による暴力、パワーハラスメント問題を検証するため設置された全日本柔道連盟(全柔連)の第三者委員会は8日、東京都文京区の全柔連で第3回の最終会合を開き、初の女性理事登用など組織改革を求める5項目の提言をまとめた。

 12日に文書で答申し、第三者委は解散。提言を受けて全柔連は18日の理事会で取り組みを協議する。

 提言は<1>組織改革<2>暴力根絶に向けた指導指針の制定<3>選手強化システムの改善<4>法令順守<5>危機管理における透明性の確保-の5項目。前検事総長の笠間治雄委員長は「時間は短かったが、やれることは精いっぱいやった。全柔連は組織として未成熟。今が(改革の)良いチャンスだ」と述べた。

 提言は理事だけでなく指導者にも女性の積極的な起用を求める。精神科医の香山リカ委員は「要職を男性が占め、男性が主で女性が従という関係が構造的な問題になっている」と話した。

 委員長によると、聞き取り調査は全柔連幹部など約20人に及び、女子選手数人からも聴取した。ただ問題を告発した15選手が入っているかは明言を避けた。

 内容を伝え聞いた全柔連の上村春樹会長は「受け入れて、全てをまとめて前に進めていきたい」との姿勢を示した。組織改革には「すぐできるものと、チームをつくって長期的に検討するものを分けて考えなければいけない」と慎重に話した。

 [2013年3月8日21時9分]日刊スポーツのオススメ