暴力指導問題や助成金不適切受給などの不祥事があった全日本柔道連盟(全柔連)は30日、新たに幹部となった元大阪府警本部長の近石康宏専務理事らが内閣府を訪れ、適切な措置を取ることを求めた勧告に対する報告書を提出した。

 助成金担当の職員を1人専属とすることで適正な管理を図ることを記した。コンプライアンス(法令順守)を徹底するため、9月にコンプライアンス担当理事と同委員会の設置を予定していることも盛り込んだ。

 新執行部のスローガンを「子どもたちが再び、胸を張って道場に通えるような柔道を取り戻す」とし、優先して取り組む項目に定数削減を含む理事会と評議員会の改革断行など7項目を挙げた。

 使途などに問題があった助成金6055万円は26日に日本スポーツ振興センター(JSC)に全額返還したことを報告。暴力の根絶プロジェクトなどの活動内容も明記した。提出後に東京都文京区の講道館で開いた記者会見で近石専務理事は「私も意見し、精いっぱい作った。組織をどう変えていくかなどを記した」と述べた。

 3カ月後をめどに改革の進捗(しんちょく)状況を報告する。