<競泳:日本選手権(北京五輪代表選考会)>◇15日◇東京・辰巳国際水泳場◇女子400メートル個人メドレー

 福島・桜の聖母短大1年の加藤和(いずみ、18=福島SS)が、北京五輪出場にあと1歩と迫った。自己ベストの4分41秒68で3位表彰台を果たしたが、五輪切符確定の派遣標準記録突破での決勝2位以内には届かなかった。この悔しさをバネに、18日決勝の200メートル個人メドレーで再度、五輪出場権獲得を目指す。

 五輪出場決定の上位2選手のインタビューが行われている横で、加藤はベンチに座った。髪や体をふいている間に、涙がこぼれてきた。「順位は仕方がない。タイムが出なかったのが悔しい」。視線を落としながら、表彰式を待った。

 この日午前の予選で、自己ベストを2秒74更新する4分42秒18をマーク。「決勝では4分38秒ぐらいを狙いたい」と話し、五輪派遣標準記録の4分40秒62を余裕でクリアするつもりだった。しかし100~200メートルの背泳ぎで失速。得意の平泳ぎで4位から2位に上がったが、最後の自由形で3位に落ちた。「前半であと1秒早く泳ぎたかった」と言葉をしぼり出した。

 それでも、06年日本選手権同種目で2位になり、パンパシフィック選手権代表になって以来の表彰台。160センチの細身の体で、日本トップ級の戦いができることを再度、示した。「日本選手権で戦ってきて、ようやく五輪を目指すところまで来た。次の200メートルでは勝ちたい」と力を込めた。

 200メートル個人メドレーの自己ベストも、五輪派遣標準記録に約1秒差に迫っており、チャンスは十分にある。18日の決勝で2位以内と標準記録突破を目指し、五輪初出場を決める。【柴田寛人】