【豪メルボルン14日=吉松忠弘】16日に開幕するテニスの今季4大大会初戦全豪オープンで、世界26位の錦織圭(22=フリー)が、早くも世界のトップ待遇を受けた。この日、4大大会10度の優勝を誇るナダル(25)と練習。10日には4大大会最多優勝のフェデラー(30)と練習するなど「調子は上がってきている」と、4大大会自身初のベスト8入りに準備万端だ。

 ナダルとは午前中の2時間、センターコートで練習。フェデラーとの練習も同コートだった。大会前に同コートを使えるのは、トップ選手に限られる。フェデラー、ナダルのビッグネームが相手とはいえ、今大会、日本男子として戦後初の本シードとなった錦織への地元の注目度は大きい。

 ナダルとは1セットだけ練習試合も行った。練習とは思えない迫力ある打ち合いが続き、6オールとタイブレークにもつれ、惜しくも錦織は敗れたが「最高の練習ができた」と手応えは十分。12、13日に現地で行われている非公式戦に急きょ出場した。12日に世界6位のツォンガ(フランス)をフルセットで撃破。13日は、03年全米覇者のロディック(米国)にもストレート勝ちするなど絶好調だ。

 日本男子が8強入りすれば全豪では1932年の佐藤次郎、布井良助以来80年ぶりとなる。「本当にいいプレーができている」。開幕に向け、ナダル、フェデラーら世界の強豪との練習で、心身ともに最高の準備で錦織が快挙に挑む。