<テニス:全豪オープン>◇9日目◇24日◇オーストラリア、メルボルン・ナショナルテニスセンター◇混合ダブルス2回戦

 世界を驚かせた“エア・ケイ”が、今度は日本男子80年ぶりの4強入りと打倒世界4位に挑む。前日の23日、戦後、日本男子として4大大会史上2人目のベスト8に進んだ世界26位の錦織圭(22=フリー)は、この日、自身の練習はわずか20分でとどめ、体を休めた。今日25日、自身初の全豪センターコートで、日本男子として32年佐藤次郎以来のベスト4をかけ、同4位のアンディ・マリー(英国)と対戦する。クルム伊達公子(41)と組んだ混合ダブルスは2回戦で敗れた。

 歴史的な快挙から一夜明けたこの日、地元メルボルンでも、錦織人気は急上昇だ。高級紙の「エージ」が、錦織のバックハンドの写真を大きく掲載し、朝刊スポーツ面トップを飾った。「The

 rising

 son」と、日が昇る「rising

 sun」と、男のsonをかけた見出しで、80年ぶりの快挙のこと、錦織のプレーのことを詳しく紹介。日本男子に夜明けが来たと絶賛した。

 錦織は、前日、3時間半のフルセットを戦ったため、この日は室内で20分ほど軽めの調整をこなした。しかし、以前とは回復具合が大きく違う。「昔の自分なら、次の日、動けないぐらい体も痛くなった」。それが、この日は、混合ダブルスを1時間19分戦っても涼しい顔だ。

 前日も、激闘のあとに、氷を張った水温4度のアイスバスに10分ほど浸かり、気温35度で火照った体を冷やすだけですんだ。「少しは疲れているが、死ぬほどじゃないので」と、混合など、軽い練習のようなものだった。

 オフから体づくりに専念し、今弘人専属トレーナーによると「体重はオフが71キロ前後だったが、現在は73キロ前後。ついた筋量の分だけ増えた。しかし、体脂肪率は2%減り、現在は10%」と、最高のバランスを保っている。そのたくましく変貌した体で、マリーに立ち向かう。

 昨年11月の上海で対戦したときは「壊されたような感じだった」。完敗でまったく歯が立たなかった。しかし、すでに上位4人との対戦も経験済みで「フェデラーやナダルよりはラリーが続く。積極的なプレーをしたい」と、リベンジを狙っている。コートは、自身初の全豪センターコート。再び歴史を動かすには最高の舞台が整った。【吉松忠弘】