レスリングのロンドン五輪女子72キロ級代表の浜口京子(34=ジャパンビバレッジ)が、パワー回帰で悲願の金メダルを狙う。27日、サポーターを務めるJA全農山形から、同県産米「つや姫」30キロや山形牛サーロインステーキ5キロ分などの贈呈を受けた。3度目の五輪出場を祝したもので「いつも山形のおいしいお肉や果物をいただき、私の体はほとんど山形のものでできています」と喜んだ。

 そんな山形産の農畜産物が、原点回帰の血肉となる。五輪に向けて、父アニマル浜口氏は「本来の京子に帰る。パワーを増強する」と明言した。初優勝した97年世界選手権から3大会は、パワーレスリングを主体に制した。徐々に技術習得の比重が増え、年も重ねてスタイルは変わった。だが、昨年末の全日本では今まで以上の力強さが戻った。アニマル氏は「技術練習との同時進行だが、長所をより磨く」と、パワーレスリングに帰ることを決めた。

 JA全農山形からは五輪期間中も、電子レンジで温めるだけで食べられるお米の無菌パック(200グラム)を、180個贈られる。「サポーターなのに、私がサポートされている。金メダルを取って恩返ししたい」。山形牛のように上質な筋“肉”をまとうべく、浜口は生まれ変わる。【今村健人】