フィギュアスケート11年世界選手権銀メダリスト小塚崇彦(23=トヨタ自動車)が、「学業封印」で五輪プレシーズンを滑りだす。12-13年のGP(グランプリ)シリーズは、19日(日本時間20日)開幕のスケートアメリカ(米シアトル)で初戦を迎える。14年五輪と同じソチ開催のGPファイナル(12月5~9日)出場をかけた、全6戦の氷上の熱き戦い。小塚にとって、勝負の時がやってきた。

 「今季は完全にスケートに集中する形で。勉強は置いておきます」。フィギュア界きっての理論派は今月上旬、そう決意を明かした。体育学を学ぶため、大学院に進学したのは11年4月。以後、競技と勉学の両立を目指したが、時間配分に苦しみ競技成績は下降線。3月の世界選手権では11位に沈んでいた。ソチ五輪まで1年半を切り、競技に専念する決断を下した。

 昨季は靴が合わなかったことも不振の要因だった。現在は靴が壊れても問題ないよう、スペアも用意し万全を期した。「(五輪は)行ける人は行けるし、行けない人は行けない。勝負は時の運と言いますが、運はつかむもの。どれだけ努力したかで運が変わっていく」。氷上に集中する23歳は米国から1歩を踏み出す。