<競泳:短水路W杯第7戦東京大会>◇6日◇東京辰巳国際水泳場

 女子50メートル背泳ぎは、34歳の稲田法子(セントラル)が26秒99の好タイムで優勝した。

 34歳の稲田が、10代、20代の選手をぶっちぎった。女子50メートル背泳ぎで自己記録更新となる26秒99で優勝。「スタートに遅れたが、焦らずにいけた」。先月のドーハ大会に続く、今季W杯2勝目。男子の「高3トリオ」が話題になる中、ベテランが存在感を示した。

 92年バルセロナ五輪に岩崎恭子とともに「中2トリオ」で出場してから20年。00年シドニー、04年アテネ五輪出場後に引退し、米アリゾナにコーチ留学も、指導しているうちに情熱がわき上がり、10年4月に現役復帰した。今年のロンドン五輪は100分の7秒差で逃したが、あきらめない。

 今のテーマは「バルセロナにもう1度」。20年前の五輪と同じスペイン・バルセロナで開催される来年7月の世界選手権出場を目標に掲げる。プールだけでなく、時には波の強い海で練習するなど、独自の工夫は怠らない。水泳への貪欲な姿勢が、34歳での自己ベスト更新につながった。

 12月の世界短水路選手権(トルコ)には史上最年長日本代表として出場する。「外国人選手と差のあるスタートとターンを修正して、できる限り頑張る」。来年バルセロナの地を踏むまで進化を続ける。【田口潤】

 ◆稲田法子(いなだ・のりこ)1978年(昭53)7月27日、埼玉県草加市生まれ。92年バルセロナ、00年シドニー、04年アテネと3度の五輪出場。シドニーでは100メートル背泳ぎで5位入賞。03年世界選手権50メートル背泳ぎで、日本記録で銅メダルを獲得。アテネ五輪後に引退し、コーチ留学も10年4月に現役復帰。今年4月の日本選手権100メートル背泳ぎは3位で、2位以内のロンドン五輪出場権を逃した。167センチ、61キロ。