山口香氏(48)が6日、柔道女子日本代表での暴力問題で、選手15人の告発をサポートしていた事実を明かした。山口氏は、選手が最初に園田前監督らを告発したJOC女性スポーツ専門部会の部会長を務めている。この日の会見後に「サポートは確かにしました。ただ、選手の自主性を損なうものではなかった」と話した。

 代表の指導方法や強化体制などを疑問視した選手が山口氏に相談。同氏が問題解決のためにJOCへ告発するなどの手順を示したというのが、今回の流れのようだ。長く女性スポーツの地位向上に取り組んできた山口氏は、自らの出身でもある柔道界の現状も心配していた。選手たちの声を聞いて、手を貸した。

 この日の専門部会は悪天候の影響もあって出席者は4人だけ。山口氏が経緯を説明した後、再発防止に向けて話し合いが行われたが「人数が少なく、会議といえるものではなかった」。それでも、暴力やハラスメントなどの問題にどう対処するかなどが議論された。

 まだまだ競技団体で女性理事が少ない問題についても「女性が起用されるためのルール作りも必要」と山口氏は根本的な改善点を指摘した。選手が代表監督を告発するという異例の事態の「サポート役」となった同氏は「これを契機に、女性スポーツがいい方向に行けば」と話した。

 ◆女性スポーツ専門部会

 JOC内にある10個の部会の1つ。女性アスリートの競技力、地位向上を目的に02年に立ち上がった。山口部会長を筆頭に計12人。シンクロのソウル五輪銅メダリストの小谷実可子さん、新体操の山崎浩子・日本代表ヘッドコーチら、元トップアスリートがメンバーに入っている。