全日本スキー連盟(SAJ)は14日、ノルディックスキー・ジャンプ女子で今季のW杯個人総合トップの高梨沙羅(グレースマウンテン・インターナショナル)らを指導してきた日本チームの渡瀬弥太郎チーフコーチ(52)の辞任を発表した。前日13日に同コーチからSAJの古川年正競技本部長に対し申し入れがあった。シーズン途中での退任は異例中の異例。20日開幕の世界選手権(イタリア・バルディフィエメ)など、当面は小川孝博コーチ(46)が代行を務める。

 辞任の理由は「チームの活動に自分の時間を100%使うことができない」とのことだった。渡瀬氏は昨年5月に所属していた企業との契約が切れ、退社。新たな所属先を求めて就職活動をしながら全日本チームを指導してきたが、現在も就職先は決まっていない。

 今季の女子は、昨年11月下旬から1月中旬まで4度も欧州を往復した。長期遠征が当たり前のスキー競技ではこれも異例で、選手は時差調整など苦しんだ。関係者から「コーチの就職活動のために帰国している」との不満も上がっていた。