<テニス:全米オープン>◇第5日◇8月30日◇ニューヨーク・ナショナルテニスセンター

 予選勝者で世界109位の奈良くるみ(21=大産大)の快進撃が止まった。08年準優勝で同12位のエレーナ・ヤンコビッチ(28)に4-6、6-7で惜敗。第2セットはセットポイントも奪ったが、惜しくもストレートで敗退した。これで、日本勢はシングルスから姿を消した。

 試合終了後、ネット際で小さなおじぎをペコッと2度して、奈良の快進撃は幕を閉じた。戦えた思いと悔しさが入り交じった3回戦。「いい試合ができたが、すごく悔しいです」。元世界1位のヤンコビッチと互角に渡り合ったが、勝利は少し遠かった。

 両セットともに、最初に相手のサービスゲームを破ったのは奈良の方。特に第2セットは5-2とリードし、5-4ではセットポイントがあった。常に競り合いだったが「フィニッシュできる形をつくることが、これからの課題」と力尽きた。

 最後に4大大会に出場した10年ウィンブルドンから3年。今大会の快進撃で、低迷からは脱した。「十分に手応えはあった。充実した大会だった」。トップ100入りも確実にし、158センチの小柄な21歳が、再び世界への挑戦権を手にした。【吉松忠弘】