<男子テニス:楽天ジャパンオープン>◇第4日◇3日◇東京・有明テニスの森公園

 世界の「エア・ケイ」が2連覇に向けて第2関門を突破だ。世界13位で、昨年優勝の錦織圭(23=日清食品)が、過去1勝2敗と負け越している同24位のフェリシアノ・ロペス(32)に7-6、6-0の69分で快勝しベスト8に進出した。準々決勝では同17位のアルマグロ(28)と対戦する。

 プレーも結果も、決して満足していない。それでも、錦織にとって勝利が大事だった。相手が苦手なロペスでも負けてはいられない。「もっと上に行かないと、勝った後でも全然うれしくなかった」。前年度覇者の宿命に縛られながらも、勝利をたぐり寄せた。

 第1セットは、腰の違和感でサーブに苦しんだ。第2サーブで使う山なりのスピンサーブは、背中から腰への負担が大きい。カーブのような弾道のスライスサーブを使うことで、ダブルフォールトが増えた。しかし、タイブレークでは「ギアを上げた」。最後は振り切った。

 1、2回戦の相手がともに世界20位台。それも、過去の対戦で敗れている相手では、少しでも緊張すればやられる。全米初戦負けなど「テニス人生で一番プレッシャーを感じた」という8月。そこから「いろいろ考えずに気持ちを切り替えている」。

 現在の世界13位は、優勝しなければ守れない。準優勝以下の成績では、7日発表の最新ランクは必ず落ちる。「ディフェンディング・チャンピオンとして2回戦を勝っても、喜びは増してこない」。まずは次のアルマグロ戦。1つずつの勝利が、2連覇と真の喜びに近づく最大の歩みだ。【吉松忠弘】