<競泳:ジャパンオープン>◇22日◇東京・辰巳国際水泳場◇男子200メートル平泳ぎ決勝ほか

 「ポスト北島」の大型スイマーが誕生した。仁川アジア大会などの代表選考会を兼ねた競泳のジャパンオープン最終日は、男子200メートル平泳ぎで、188センチの小関也朱篤(やすひろ、22=ミキハウス)が2分8秒34と、昨年世界選手権銀メダル相当の好タイムで初優勝した。

 場内がどよめく。男子200メートル平泳ぎ決勝。小関は世界記録を0秒12上回って100メートルを通過した。その後も188センチの長身を生かした泳ぎで、世界記録保持者の山口を体1つリード。昨年の世界選手権銀メダル相当のタイムに「100メートルまでは自分をほめていい」と笑顔を見せた。

 平泳ぎでは異色の大型スイマー。今春卒業した日体大時代まで練習の9割は自由形だった。そこで培ったスタミナが武器だ。最近まで長身を持て余し気味だったが、200メートルでストロークを5回減らす、大きな泳ぎを習得。15日の欧州GPで自己ベストを2秒65も短縮すると、この日も0秒53更新した。

 子供のころから北島に憧れてきた。映像は何十回も見て、腕のかき、キックを研究。北島からは19日の100メートルのレース後に「もっと速く泳げる。200メートルもしっかりやりなさい」と激励された。「後継者」としてエールに応えた。

 世界記録保持者山口が不振の今、「ポスト北島」の1番手として期待される。「いずれそういう立場になってくる。気負わずにいきます」。目標は2年後のリオデジャネイロ五輪で、北島と同じ色のメダルを取ることだ。【田口潤】

 ◆小関也朱篤(こせき・やすひろ)1992年(平4)3月14日、山形県鶴岡市生まれ。羽黒高から日体大を経て今春ミキハウス入社。昨年7月のユニバーシアード100メートル平泳ぎで優勝。今年2月の日本短水路選手権では50、100、200メートル平泳ぎで日本新記録を出して3冠。188センチ、84キロ。